●蓄電池について Q&A(一部、メディアのWEB公開情報を抜粋)
Q2. なぜ、系統用蓄電池が注目されるのか?
A2.政府が目標にかかげているカーボンニュートラル達成やGXへの移行が後押しとなっていることが挙げられます。
再生可能エネルギーは気候や時間帯による発電の変動が大きく、電力系統への負荷が大きいという課題があり、電力需給の「ひっ迫」により「節電」が必要になったり、需要以上に発電される場合は、発電量が需要を大きく上回り出力制御が実施されるなど「電力余り」となっている状況です。蓄電池は単体で発電する機能を有していませんが、発電量が多いときに蓄電したものを、電力が足りない時に放電し電力需給のバランス調整を行い、電力系統の安定化を図ります。
Q3. 電力系統の同時同量とは?
A3.電力需要と電力供給のバランスを常に保つことです。電力は大量に貯蔵することが困難という特徴があり
需要と供給のバランスが崩れると、電気の品質(周波数)が乱れ、大規模停電が発生するリスクを秘めています。
電力系統の同時同量を保つためには、需要に合わせて供給量を調整しなければならず、
運用を担う調整力として、蓄電池事業に脚光が集まっています。
Q4.系統用蓄電池と定置用蓄電池の違いは?
A4.「定置用蓄電池」には明確な違いはありませんが、「用途」や「接続場所」によって名称が異なります。「系統用蓄電池」は、電力系統に接続され、電力需給のバランス調整や再生可能エネルギーの導入促進などに利用される蓄電池を指します。蓄電池を介して電力の売買・系統の安定化を行うのが系統用蓄電池です
Q5. 系統用蓄電池事業の市場規模は?
A5.系統用蓄電池の市場規模は、今後10兆円を超える見込みと言われています。
将来的な市場規模はさらに拡大するとされ、2031年には容量が457,880MW、金額では26兆円を超える見込みとされています。また、富士経済による調査でも注目される市場として、系統用蓄電システムを挙げています。今後、本格的に系統用蓄電池の導入が進み大規模案件も増加している発表されました。発電側や系統側に蓄電池を設置することで、出力平滑化の用途や、電力タイムシフトにおける需要の増加が期待されています。
Q6. 系統用蓄電池事業に参入するメリットは?
A6.①利益が見込める
系統用蓄電池は、容量市場(kW価値)や需給調整市場(kW価値)、卸市場(kWh価値)などの収入を組み合わせることで、投資回収していくビジネスモデルが想定されています。系統混雑緩和対策として系統用蓄電池の活用など、新たな収入につながるスキームが今後期待されています。
②今後の市場規模拡大に期待できる
再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって発電量が変動しやすい特徴があります。そのため、再生可能エネルギーの導入拡大により、電力系統の需給バランスが複雑化していく中で、3次調整力(再生可能エネルギーの出力予測の誤差や、需要予測の誤差、予測できない電源トラブルで停止し、電源脱落によって生じた需要と供給の差に対応する調整力)の活用が重要になってきています。3次調整力を活用して、需給バランスを安定させることで、市場価格の安定化に貢献することができます。
3次調整力の拡大により、系統用蓄電池の需要が高まることが予測されます。
Q7. 系統用蓄電池事業に参入するデメリットは?
A7.①導入コストがかかる
系統用蓄電池の導入には、多額の導入コストがかかる点がデメリットといえます。
しかし近年、国が積極的に系統用電池システムの普及を支援しているため、系統用蓄電池の導入は補助金制度の対象になっています。(要ご確認)
系統用蓄電池導入時には国の助成金を利用することで、このデメリットを解消できるといえます。
②参入障壁が高い
導入コストが高額になることに加え、投資の見通しや運用が難しい点などの理由から、参入する障壁が高いと感じるケースもあります。
また、実運用に至るまで多方面に渡る煩雑な手続きが必要で積極的な事業参入が難しいのが現状です。
弊社は、事業用地のご提案から実運用に至るまでの各種調査、電力申請手続き等、専門家としてのサポートが可能ですのでお気軽にご相談ください。