これまで火力・原子力・水力発電所などの建設、保守に携わるとともに、大型火力発電設備や太陽光発電設備などにおいてEPC(設計・調達・建設)からO&M(運転・保守)に至る事業を手掛けてきました。その強みを活かし、境港バイオマス発電所において本格的な発電事業まで一貫して行い、安全で効率的なエネルギー供給を目指していきます。
特長
- 1.地球温暖化対策
- 光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料とした発電は「京都議定書」における取扱上、CO2を排出しないものとされています。
- 2.循環型社会を構築
- 未活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は、廃棄物の再利用や減少につながり、循環型社会構築に大きく寄与します。
- 3.農山漁村の活性化
- 家畜排泄物、稲ワラ、林地残材など、国内の農産漁村に存在するバイオマス資源を利活用することにより、農産漁村の自然循環環境機能を維持増進し、その持続的発展を図ることが可能となります。
- 4.地域環境の改善
- 家畜排泄物や生ゴミなど、捨てていたものを資源として活用することで、地域環境の改善に貢献できます。
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生物由来の未使用資源の有効活用でエネルギーを生み出します
バイオマス発電は、木くずや間伐材、廃油、メタン発酵ガスなど様々な資源を利用した安定エネルギー源です。未使用であった地域資源を有効活用することにより循環型社会の構築につながる取り組みを目指します。
バイオマス発電の種類
バイオマス発電には大きく分けて「直接燃焼方式」・「ガス化方式(3種類)」の2つがあります。それぞれどのような発電方式なのか、具体的に見ていきましょう。
直接燃焼方式
「直接燃焼方式」とは、木をボイラーで燃焼して高温高圧の蒸気を発生させ、スチームタービンを回転し発電する方法で、原理は火力発電と同じです。原料として、主に廃木材を加工して製造される木質ペレットが使用されます。
直接燃焼による発電には、バイオマスと石炭を同時に燃焼させる「バイオマス混焼方式」と、バイオマスを専用のボイラーで燃焼させる「バイオマス専焼方式」があります。
ORC発電 直接燃焼方式の一種として、オーストラリアやヨーロッパ諸国ではORC(オーガニックランキンサイクル)発電方式も多く導入されています。 ORC発電とは、水より低沸点のフロンガスなどの媒体から発生させた蒸気によってタービンを回す発電方法です。通常の発電方式では約150℃以下の中低温での媒体は、分離した蒸気でタービンを直接回転させることができません。一方、OCR発電では気圧下15℃で蒸発する代替フロンなどを使用するため、今まで未利用だった熱エネルギーを活用した、効率的・経済的な発電ができるのが特徴です。 |
ガス化方式
「ガス化方式」では、ガス化炉でバイオマスを不完全燃焼させ可燃性ガスを取り出すことで発電します。 ガス化方式には、「熱分解ガス化方式」と「生物化学的ガス化方式」の2種類があります。
「熱分解ガス化方式」は、木質ペレットなどの燃焼により製造された可燃性物質である炭化水素を燃料にタービンを回し、発電する方式を指します。主な原料は木屑や間伐材、刈草などの木質系・草本系バイオマスです。これらを炭化水素として熱分解することで、化石燃料の代替として都市ガス、ガソリン(ディーゼル)、プラスチックなど、さまざまな製品への加工が可能になります。
ただし熱分解する際にはCO2が発生することから、ライフサイクル全体としてのカーボンニュートラル実現のため、燃焼時のCO2量も計算する必要があるといえるでしょう。(ライフサイクルアセスメント=LCAの評価)
「生物化学的ガス化方式」は、微生物によって家畜糞尿や生ゴミ、下水汚泥などをメタン発酵させた生物化学的ガスを燃料にタービンを回して発電する方式を指します。